バニラ・ママのあんずジャム


あんずジャム

バラの写真を撮らせていただいている、私のバラの先生・ハンドルネーム「バニラ(飼っている猫の名前)・ママ」から『生ったのよ~!杏だったよ。』と、あんずジャムをいただいた。

『ねえこの木、梅かなあ、杏かなあ?』とママに聞かれたのは、春頃だったか。「えーと、わかりません。」と答えた私。ごめんなさい。いやほら、”梅杏”てのもあるわけで…。

「わーい、杏ジャムだー!嬉しい、ありがとうございます。」基本的に私は甘いものは苦手なので、ジャムと名がつくものは買わないのだが、実は杏ジャムだけは大好物なのだ。

あんずジャム

その昔、私が生まれた家には大きく育った杏の木があって、実が生ると母が杏ジャムを作っていた。
その杏の木は子供の背丈より低いところで二股になっており、当時小学校低学年の私でも足をかけて簡単に木に登ることができた。
私は読めもしない「風の又三郎」の文庫本を父の本棚から持ち出し、杏の木に登って下の道を行く近所の子供たち(自分も子供だ)を睥睨しては、一人悦に入っていたのだ。

その思い出は、いじめられっ子だった私にとっては良い部類に入るらしく、郷愁と共にそのときの情景を蘇らせては、ニンマリしている。そして同時に、あの日、木の上で嗅いだ葉擦れの青臭い匂いと、むき出しの手足に痛いざらざらした幹の感触も思い出す。
私が生まれる直前に亡くなった祖母が植えたその杏の木は、我が家の借金返済のために生家を手放すと決めた時に、枯れてしまった。

そんなことを思い出しつつ、マーガリンをたっぷりぬったパンに杏ジャムもたっぷりと挟み、サンドイッチに。
酸味と香りがある杏ジャムは、クリームチーズにもとても良く合う。でも私が一番好きなのは、このマーガリンと杏ジャムのサンドイッチだ。
杏の木は無くなっても消えない想い出を、甘酸っぱいサンドイッチを噛みしめながら、しばし楽しんだ。


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