
薪はその昔、人の生活に無くてはならないものだった。
薪の原料になる木はもちろん、炊きつけにする落ち葉や枝や、牛馬の飼葉となる草も人は大切にした。
里の近くの山はいつも明るく、春になれば下草が刈られた所から丈の低い草たちが芽吹き、花を咲かせていたに違いない。
そして道ばたの草は奇麗に刈り取られ、そこからも野の花々が顔を出していたことだろう。
炊きつけの草を刈るにも、近場が良いに決まっている。
どこの道ばたにも夏草が生い茂り、これを税金を投じて草刈をしてゴミにする・・・という時代が来るなどと当時、誰も想像しなかったことだろう。
薪に話を戻して・・・さてその薪の原料にも事欠く現代、なのに薪流行りの時代でもある。
薪の原木はあるところにはあるのだが、手に入れるのが難しい。
それに石油に比べ安価かというとそうでもない。
かといって売る側も薪でそうそう商売になるわけでもない。
さて、写真のバスの名前は「もくちゃん」。大町市のエネルギー博物館がこのバスを所持している。
その名のとおり薪で走るバス(昔懐かしいボンネットバス)だったが、現在はガソリン車へと生まれ変わり、大町を走っている。
薪という燃料があったことを、そして実際にそのエネルギーで車を走らせていたことを知ってもらおう。
山里から人里へのリサイクルを現代人に考えてもらおう。
そして、乗せすぎると(笑)坂道では止まってしまうスローな交通手段を慌しい現代人に体験してもらおう・・・・
そんな思いでNPOや地元の皆さんに支えられ、実際に薪バスとして運行され、炉が傷み使えなくなった後もガソリン車として残った「もくちゃん」。
エネルギー博物館ではなんと、入館者先着12名は無料!でこのボンネットバスに乗せてくれる。
『龍神湖展望広場までの標高差130メートルを、ゆっくり』登る、昭和の香りが漂う懐かしいボンネットバス、もくちゃん。
乗車希望の場合は予約も可能なので、大町方面へ行かれる方は是非一度「もくちゃん」に会いに行ってみては?
🚌2023.12.23 記事をリライトしました。写真提供は二点とも、「北アルプスバイオマスを考える会」(2007年)より。